【9周年のご挨拶】

 

本日をもってドゥーアールは9周年を迎える事となりました。
日頃から当店をお支え頂いている各方面の皆様方にこの場を借りて深く御礼申し上げます。

今日この時に、まずは未だ終息の気配が見えない新型コロナ騒動について触れずにはいられません。
今回の騒動で様々な方面で痛みを被った皆さま方に謹んでお見舞い申し上げます。

当店においても未だ多くの皆様から励ましや心配の声、心温まる行動を頂戴しております。
当店はと言えば、決して無傷ではございませんが日頃から備えていたリスクの想定内の枠でやれており、喫緊を憂慮するほどの深刻な状況には至っておりませんので皆様どうぞご安心くださいませ。むしろいつの間にかこのお店もこんなにも気にかけて頂ける存在になっており、多くの方々に大切に育てて頂ける存在になっていたんだなぁ、と感謝の念を強くしているところでございます。

私自身あまり同情を受けて経営するのは好きではなく、価値があると感じたら上手く利用していただきたいというのが本音なのですが、結局は開店当初をはじめ難しい時期は商品力とは関係ない所で、ただただ皆様の慈悲の心に支えられてきたのが実情ではございます。以前はそんな未熟な自分を疎ましく思っておりましたが、今では善意を受け取る事もまた善意なのだと素直に捉えられるようになり、そんな積み重ねが自分に稲穂のように頭を垂れる良い機会を皆様に与えて頂けているのだと有り難くお気持ちを頂戴しております。

与えられるとお返ししたくなる。

この9年間、皆さまに与えられた事をただただお返しし続けた日々でございました。自分の力を表現できる場所が欲しくてオープンさせたこのお店も、今では大切な皆さまにとって【使える】お店でありたいという想いが強くなってきております。どんな有名人や権威に評価されるよりも、本気の仕事をまっすぐな心で純粋に楽しんで頂ける皆様の姿を見るのが今は本当に嬉しく思えるのです。

開業当時のなりふり構わない経営から徐々に大義のある稼ぎ方や誇りの持てる働き方の追及を意識できるようにもなってまいりました。物質的に満たす幸福よりもやはり、与える喜びから感じられる幸福に勝るものはございません。この10年目においても自分の欲を満たす豊かさだけではなく、与えることで豊かになれる、そんな事を偽善ではなく心底考えられるような大きな心を育み続けていきたいと思っております。
 
まだまだ満たして差し上げれていない欲求や行き届かない所もございますが、うわべだけ取り繕うようなモノではなく自然体の底上げに励んでまいりますので、全力で発展途上と対峙し続けるこのお店の姿を今後も可愛がって頂ければ幸いでございます。

今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。


2020年8月10日

小屋敷 一貴 (Kazuki Koyashiki)

 

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