【古酒と向き合う姿勢】


一般的なワインと違い、古酒ワインは目まぐるしく変化するその複雑性と動きに特徴があります。云わば古酒は動画であり、常に曲線でチャートを描きながら動いてまいります。その動きにこそ心奪われる価値があり、最も輝いた姿だけで判断せず、その前後の芽吹きから終息していく姿までの全体像を捉えてこそ作品全体の理解が深まるものでございます。以前はそのワインの一番良い部分を切り取り表現することが最高のサーブだと考えておりました。しかしながら現代ワインと古酒ワインは全くの別物であり、現代ワインでやっていた常識は古酒ワインでは非常識にあたるという概念がある事には、ただのワイン好きに留まらない古酒愛好家にはご理解いただけるものと思います。古酒とは部分的に評価するものではなく時間の流れを楽しみ、その時々の正解の積み重ねを感じ取っていく事でしかその本質は理解できないものでございます。

古酒とは優劣や好き嫌いで判断するものではございません。
時間と共に磨かれた一つの個性を一つの正解として愉しむもの。

時間の流れとは正しく年を重ねれば進化となり誤った時間は劣化を招くものでございます。
時間に抗うのではなく正しい年の重ね方とは何なのか、年を重ねる事でしか表現できない価値とは何なのか、そんな気付きを与えてくれるのもまた古酒の醍醐味でございます。



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